さて、前回に続き、「質問・お悩み相談」についてです。

 

<質問・相談>

経理担当者が監査法人に出向して、何をするのですか?(4)監査

 

<私からの回答・アドバイス>

監査対応は、監査法人での研修の前から経理マン1年生の時から先輩の見よう見まねで行っていました。

 

当然ながら、監査法人側からの「監査とは?」ということについては全く知らず、眼中にもありませんでした。

 

研修初日の最初の授業は、「監査報告書の解説」でした。

一文、一文、解説する方式でした。

 

皆さんは、監査報告書をちゃんと読んだことはありますか?

 

私は、この時初めて会社の責任と監査人の役割を理解することができました。

 

監査人の役割は会社が作成する財務諸表について、全ての会計取引等をチェックして100%正しいという“お墨付き”を与えるのが役割ではなく、一般妥当とされる基準を用いて限定的なチェックをした結果「重要な点において適正に表示している」という第三者の立場で見解を表明するに過ぎない役割であることがよく分かりました。

 

例えば、OJTで顧客から入手した売掛金明細の合計を電卓で検算していたら、シニアの方から「No、No、合計が合っているかどうかは会社がやるべきことだから、検算は止めて早く監査手順書の通りにチェックする取引のサンプルを選んでね。」と注意されました。

 

経理は先ずは合計チェック、一方監査は先ずはサンプル抽出、各々の役割がよく分かった事例でした。

 

皆さんも監査人の役割を正しく理解して、監査に対応するようにして頂ければと思います。

 

また、誤った理解をさせている方が周囲にいらっしゃれば、正しい理解をしてもらえるよう平易に説明することを心がけてくれればと思います。

 

具体的な監査のやり方等の監査業務については、多くの書籍が出ています。

是非、一番薄い書籍を買って、目を通すことをお勧めします。

 

では、また。

 

(文責/白川耕三: 日本の建設会社に入社したのち、英米系など様々な企業で経理に従事)

 

プロファイルは、ネクト会計パートナーの最下段を参照下さい。)