こんにちは。
日本の建設会社に入社してからはや35年、英米系など様々な企業で経理に従事してきた白川耕三です。(プロファイルは、ネクト会計パートナーの最下段を参照下さい。)
さて「経理部員の心がまえシリーズ」、前回は「数字は放っておくと一人歩きしますので、細心の注意を払うこと」をご説明しました。
今回は「経理書類は大切に保存すること」です。
経理書類の保存期間はその年の確定申告の提出期限から9年間ですから、担当者と責任者は少なくとも9年間は責任を負いますので、緊張感と重要な業務に携わる自負を持って業務に当たりましょう。
(注:税務上の繰越欠損金の繰越期間は長期化しています。平成13年4月1日前に開始した各事業年度において生じた欠損金額については5年、平成13年4月1日以後に開始した事業年度から平成20年4月1日前に終了した事業年度において生じた欠損金額については7年、平成20年4月1日以後に終了した事業年度から平成30年4月1日前に開始する事業年度において生じた欠損金額については9年、平成30年4月1日以後に開始する各事業年度において生じた欠損金額については10年です。)
取引を証明する契約書、発注書、納品書、検収書、請求書、入金・支払明細等は、連番で保管し、社内外監査人・税務調査官等にスムーズに提示できる体制を構築、維持しましょう。
入社後、初めて税務調査の対応を経験したときのことです。下っ端でしたので、会社から車で1時間離れた倉庫に過去の伝票を取りに行かされました。
先輩に「書庫のA列3段目左から2箱目の保管箱No. xxxにタテ3綴じ×ヨコ4綴じ×高さ3段に入れて保管している支払伝票の綴り36冊の内、中段真ん中の支払伝票の綴りNo. yyyに綴じている伝票No. zzzが必要だから、その伝票と証憑があることを確認して、その綴り1冊を取ってくるように」と指示されました。
倉庫に行って探したところ、伝票が正しく言われた通りの場所にありました。
伝票サイズはA5で統一されており、証憑は耳を揃えてきっちりと織り込まれていました。
そして、その伝票の押印欄の右下隅っこに押されていた豆粒印を見たら、起票者は私が配属されていた当時の課長のものでした。
伝票が言われたところにあったのにビックリ、作成者が課長であったことにもビックリで、感動しました。
会社に戻って先輩に報告したところ、「書類保管の最後の砦は、経理だよ。」と笑って教えてくれました。
納得しました。
経理の書類は、我々の「作品」です。
大切に扱いましょう。
では、また。
(文責:白川耕三)
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